春日部市中央の内科,呼吸器内科
有賀内科クリニック

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予防的治療

ワクチン接種につき

「ワクチンフォビア(ワクチン恐怖症)」という言葉を聞いたことがありますか?一般的には以下のようなものが考えられます。
「ワクチンに関する強い恐怖・不安感」を指します。
原因としては、心理的要因、政府・医療機関への不信感、文化的・宗教的理由、過去の経験などがあげられますが、特に問題となるのは情報の誤解や誤った情報を信じてしまうことがあります。

有名な事例として日本における子宮頸がん予防のHPVワクチンの事例があります。
2013年に日本政府はHPVワクチンを定期接種として推奨しましたが、一部のメディアや団体がワクチンに関する健康問題を報じ、その結果政府は接種推奨を中止しました。
そのため人々がワクチンに対し不安を抱くようになり接種は著しく減少しました。
その間、ワクチンで予防できる子宮頸癌は日本の風土病になるのではとも危惧されました。
その後、調査が行われ安全であるという科学的な証拠が確認されて、現在では接種推奨が再開されております。
世界的に有名なのはワクチンと自閉症の関係です。
1998年にイギリス人医師がNMRワクチンが自閉症を引き起こすと主張し、その論文が権威ある医学雑誌に掲載され世界に衝撃を与えました。
その後の調査で研究方法に不正があることが発見され、また反ワクチン団体から利益を受けていることも暴露され、論文は撤回され前記のイギリス人医師は医師免許剥奪となりました。
現在ではワクチンと自閉症の間に因果関係はないと確認されております。
しかし一部の人々にはいまだ不安・疑問が残っております。
またワクチン接種に反対する団体・個人もありますが、そういった方々の主張は上記の顛末まで説明はしていないことが殆どです。

コロナワクチンに対しても、副作用リスク、ワクチン効果の疑問などを問題にしているメディア(SNS含む)、団体、個人があります。
そのような批判や懸念は理解できますが、多くの批判は誤解や情報不足から来ていることがあります。
科学的なデータに基づいた情報を基に判断することが重要です。

コロナの流行とワクチン開発が同時であったため、効果に関しては既存のどのワクチンより正確に調べられており、接種することの利益は不利益を上回ることは間違いありません。
軽症化した近年でもワクチン接種率が高い地域の方が致死率が低いことがわかっています。
特に高齢者(とくに85歳以上)では顕著です。

ワクチンの接種は強制されるものではなく、選択は個人の自由です。
現在はコロナもインフルエンザも排除できる病気ではなく共生する病気となっております。
それでも感染すると損であることは間違いないと思います。
とくに高齢者やリスクのある疾患をお持ちの方はワクチンを接種し感染を避ける、感染した場合の重症化を避けることは重要かと考えます。

当院ではワクチンの接種を推奨しております。
摂取しているワクチンにはインフルエンザ、新型コロナ、肺炎球菌、帯状疱疹、RSウイルス、その他小児の定期摂取ワクチンなどがあります。
日本医事新報という大正時代から発行されている医師の間では有名な医学誌があります。
2006年に当院院長のワクチン接種を推奨する内容の論文が掲載されたことがあります。
まだワクチン接種の頻度が現在に比べて極めて少なかった時代でした。
その時にはワクチン製造メーカーの担当者が意見を聞きに来ました。
そのメーカーは現在ではでワクチン推奨のテレビCMを頻回に行っております。

予防できる疾患は予防しておくのが基本と考えております。
接種部位の痛み・腫れ、あるいは発熱・倦怠感などの副反応は起こることがありますが、一過性であり頻度も少ないと考えます。

 それぞれのワクチンの接種時期、方法、費用などは異なりますのでお問い合わせください。

インフルエンザワクチン

毎年10月頃からインフルエンザワクチンの予防接種を行っております。
予約は必要ございません。

禁煙外来

治療薬の流通の問題等により現在は行なっておりません。
ご容赦ください。

肺炎球菌ワクチン

日本人の死亡原因として肺炎は高い順位に位置しており、高齢者に限った場合はより高くなります。医学の進歩に伴い若い人が肺炎で死亡するケースは稀になりましたが、高齢者の肺炎の治療はあまり改善してないのが現状です。よって予防することが何よりも重要と考えます。
肺炎の約3割は肺炎球菌が原因です。肺炎球菌ワクチンを事前に接種することで、肺炎の重篤化を防ぎます。
日本感染症学会、日本呼吸器学会でも肺炎球菌ワクチンの接種は推奨されています。

(ご注意)

  • 肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌以外の菌には有効ではありません。
  • ワクチンは罹患する確率を下げますが、完全に防げることはありません。

当院では日本の学会が現時点で推奨している接種方法をお勧めしています。(なお学会では接種方法は将来的に見直しを行うとされています。)
ワクチンの接種歴、年齢でいくつかのパターンがあります。なかなかわかりにくいかと思いますので、ご希望であれば当院なりに推奨させていただきますのでご参考にしてください。

なお、肺炎球菌ワクチンを接種した場合でも、秋から冬のインフルエンザワクチンの接種は毎年受けることをお勧めします。
肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併用することで、重症化を防ぐことが期待できます[注1]。

[注1] ・・・ 下記リンク06ページ参照。
http://fa.jrs.or.jp/guidelines/stop-haien_medical_02.pdf

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帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、水ぼうそう(水痘)をおこす原因ウイルスと同じ水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによっておこる病気です。多くは子どもの頃にかかり治りますが、ウイルスは消滅したわけではありません。実は体の奥の神経節に隠れています。そして高齢になり、免疫力が低下したときにウイルスが復活します。免疫力の低下によって復活したウイルスは、神経節から出て活動を再開し、皮膚に帯状の水ぶくれをつくります。この帯状の症状から「帯状疱疹」といわれます。
症状は、皮膚にチクチクするような痛みがおこることから始まります。
次に、痛みを感じた場所にブツブツとした赤い発疹ができ、小さな水ぶくれとなって帯状に広がります。この症状は、特に胸から背中、腹部などによくみられます。他には顔や手、足にも現れることもあります。
痛みは、刺すような鋭い痛みから始まり、次第に強くなりピリピリと痛みが強くなり苦痛を感じるようになる場合もあります。多くの場合は、皮膚症状の消失と共に痛みも無くなります。
ときに皮膚症状が改善しても痛みだけが残り、いつまでも続く場合があります。これを「帯状疱疹後神経痛」といいます。
若い人の場合は、ウイルスによって破壊された神経の改善は良好ですが、高齢者では改善が困難で、帯状疱疹後神経痛が残りやすいともいわれます。

帯状疱疹の予防

近年では小児を対象とした水痘ワクチンが定期接種となったため、水痘の自然流行がおこりにくくなった影響で帯状疱疹を生じる患者が増加してきていると言われています。
日本はワクチンに対しては後進的です。ワクチン恐怖症や、ワクチンに対する様々な考え方はあってもいいと思います。そのため医学的な有効性は明らかでしたが、ながらく認可はおりていませんでした。
しかし、平成28年3月に厚生労働省は「50歳以上の帯状疱疹の予防」作用を追加承認しました。

水痘ワクチンは悪性腫瘍・免疫抑制状態の小児を対象として開発されたものです。またすでに健康な小児には定期接種化されており、接種後の副反応の報告も軽微なものが殆どです。接種後に水痘が発症するケースはごく稀と考えます。なお水痘ワクチンは生ワクチンのため、他のワクチンを接種する場合、約1カ月以上日にちを開ける必要があります。